大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2652 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人福田力之助の上告趣旨は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨第一点に対する判断。

原判決言渡後前犯罪について言渡された執行猶予の期間が満了したりや否やは裁

判所が繋属事件につき執行猶予を言渡すべきか否かには刑法上何等関係はない。そ

れ故右の事実を上告理由とするか否かが憲法問題でないことは当裁判所大法廷昭和

二二年(れ)第四三号同二三年三月一〇日判決に徴して明である。そして被告人は

前犯につき執行猶予の恩典を受け乍らその猶予期間中本件犯罪を敢てしたのである

から、原審がこれに対して執行猶予を言渡さなかつたのは首肯できるところであつ

て、固より刑訴第四一一条適用の場合ではない。

論旨第二点に対する判断。

所論判例は第二審において、何等証拠調を為すことなくして第一審の執行猶予を

附した判決を破棄して実刑を科しても違法でない旨を判示したものであり本件原判

決が右判例に違反するものでないこと多言を要しない。

よつて刑訴第四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年三月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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